そろそろ無くなりそうだし乗っておくかということで。
ミラーサイクル+加給器なし+CVT
という、技術的には一度乗ってみたいなと思わすスペックではあるが、一般的には全然うけなかったというモデル。
マイチェン前の普通の1.3NA+4AT版には乗ったことがある。その時の印象は、この前のモデルに比べて安っぽくなったなあ、ダウンサイズと軽量化はまあまあ良かった印象がある。
パッケージングについて
乗ってみて気になるのが、Aピラーがえらく傾いていて目前に迫ってきて圧迫感がある。
タイムズレンタカーなので、サンバイザーにカードホルダー+小物入れがかぶせてあるのだが、それがちらちら視界&額にせまっていてすごく邪魔に感じるほど。
この時代のマツダ車はこのクラスになるとチルトのみ。ただしシートのハイト調整幅が割りとあるので、ポジションはそこそこ決まる。シートは他社のこのクラスにしてはまあまあいいような気がしたが、30分ほどで底づき感を感じて、椅子を底から触ってみると薄いクッションに鉄板で支えているだけの構造のようだ。
後席は背もたれが立ち気味だが、そこそこ座ってられる。広くはないし全長から考えるともう少しあっても良さそうには思う。
ラゲッジは広くはないが、深さはある。現行型より少し広く見えるがリアハッチの開口部が少し大きいのだろうか?。
全体として見ると、4mの全長があるのにAピラーが傾きすぎていて、そのしわ寄せが後席、ラゲッジに来てる印象。パッケージングの効率という点から見ると出来が悪い。
1〜2人乗るクルマとしては、パーソナル感があって確かに悪くはないし需要としてはその辺なのだろう。
パワートレインについて
エンジンとしてはトルクが最初から出てて出足が結構よく感じる。
CVTも、アクセルOFF時の空走間はあるが、トヨタみたいな妙な増速間がなくて使いやすい。
ただCVTはCVTで、2000回転くらいをホールドして車速だけ上がっていく感じはあまり気持ち好くはない。ATのSSボタンを押すとエンブレを減速時に利かすモードになる。
イメージとしてアクセルOFF時はMT車でいうところのクラッチを切った状態の空走間があり、このボタンを押すとクラッチがつながってエンブレが効くみたいなイメージで使える。
各社、ATにモードボタンの採用でごまかしてるが、実際にはオーナーにとってはめんどくさいので、メーカーとしておすすめ設定ひとつか、モードの調整があって普段もそれを使用できるかの方が個人的にはこのましい。いちいち燃費モードと走り重視モードと普段使いでは使い分けないし、とっさの時に走り重視モードにしたく、道路も交通の状況もリアルタイムに変化してるのだからモード切り替えでは対応できない。
ミラーサイクルエンジンだが、あまり普通のエンジンとかわりないというより、ミラーサイクルでの希薄燃焼モードが街乗りではほとんどできていないように見える。
瞬間燃費計を見る限り、定常巡航でアクセル一定という条件化にならない限り瞬間燃費計が15km/を超えることはほとんどない。
加速時は丁寧に踏んでも7km/Lや5km/Lを表示しており、トルクが欲しい条件化ではむしろ普通のエンジンよりも燃料を噴射してるように見える。もともとミラーサイクルは過給器なしで使うことに疑問をもってたが、マツダとしてもデミオクラスで加給器を使うのはコスト的に厳しかったと見えてなしを選択したんだろうが、結果として燃費面ではうまくいってないようだ。ドライバビリティを重視した結果のマツダ的良心としての選択とも言える。
ハンドリングについて
パワステは電動だが変な粘りやスカスカな軽さもなくて、結構好みな感覚。
ハンドルの舵角に対してきちんとタイヤの舵が反応していて、油圧のような変な反力やモーターの擬似的な磁力の反力がなくて、電動パワステとしてはこの方向が個人的には好き。
ハンドリングについては、古いマツダ車ってこうだなという懐かしさに似た印象。
タイヤだけで曲がってるというか、ロールとタイヤのグリップ力が上手くコントロールされているというよりは、ロールや重心がどうだろうとタイヤだけがさっさとグリップしてしまい、引っ張られているような、スポーティというふうに言われそうな足回り。
実際には、リアはドタバタしてるし、フロントも後でグラっとロールがきてしまい、結局足回り固める方向しか解決法がない底の浅いセッティングである。
ただ1tを切るこの車重ははやり、軽さは正義といいたくなるほど、動きは軽快だし、動きもすっと収まる。マツダとしては妙にステアリングの戻りのセンタリングがきつい。