非常のひと

工業系人間の日常。DIY精神で自分でやれば工具が手に入って、作業も楽しめて2倍お得。

インプレッサ G4(1.6 FF)試乗記

よく乗るんで備忘録として載せとこうと思う。
ちなみに最廉価グレードのインプレッサは歴代乗ったことあり、結構好印象でした。

ステアリングフィールについて

結論からするといい車ながら残念な出来。
フィーリングが最悪のステアリング。
実はコレ油圧パワステなんですね?。調べてびっくりしました。
そういう意味では歴代油圧パワステワースト1&最近の車でもワースト1です。
なんでそうかというと、いいステアリングフィールとは路面のフィーリングを伝えるステアリングフィールなんですよ。で、パワステの目的は操作を軽くすること。
 結果いいステアリングというのは操作が軽くて路面のフィールを伝えることなんですよね。でもこのインプレッサのステアリングは路面のフィールを伝えなくてかつなんか重いんですよ。路面が荒れててもそうでなくてもあんまり感触が変わらなくて、なんかゲームのステアリング回しているような感じを受けます。いい勢いでコーナー飛び込むと反力っぽいのが感じられる程度。そういう意味でワーストワンです。
 重たいほうがなんか安定してるような気がする人向けですね。

パッケージング&荷室について

あいかわらず足を前に投げ出すとそこそこ決まるというより、セダンならもう少しアップライトに座りたい。後席は結構まとも。ただ全長がすでに4.5mmなので当然いえば当然。その分トランクスペースが狭くなった。このクラスならもっと欲しい。
 視界については良好。ピラーが前進してドアミラーが後退して三角窓があるがそこからの視界もあって良好。ただ前述のパワステのフィーリングもあって、タイヤの位置がよくわからない。この当たりは歴代そうだった印象。
 

パワートレインについて

1.6LとCVTについて。1.6LのNA水平対向は歴代の1.5に対してすごく進化した。
なにより低速トルクが圧倒的に増えた。失ったものはビート感。エンジンとしては正常進化したものの官能性という点を失い。水平対向のメリットって何?っていう疑問も生まれた。よく出来た4気筒との違いが明確でなくなり、足元が狭くなるデメリットが目立つ結果になった。もちろん低振動やシンメトリーというメリットもあるが、低回転で使う分には圧倒的ではなく、シンメトリーも横幅でかい(さらにDOHCなので)のでサスペンションにしわ寄せがいくというデメリットが目立つ。
CVTについては、ラバーバンドフィールとは言わせないというエンジニアの意志が感じられる。といっても、もともとのスバル内製のATがズルンズルンでATとしての出来はひどかったので。壊れないというメリットくらいしかなかったと感じるくらい、4ATも5ATもひどかった。のでそれに比べると良くなりました。
 唐突というくらいロックアップ風というか、減速比固定させてトルクでもっていくフィーリングを実現してる。踏み足した時もNAがらしいトルクの立ち上がりで好印象。特に坂道での制御がむやみに変速させない。キックダウン時もATっぽい味付けになってる。どうだ見たか!、スバルなめんなよ!と思わす出来だ。
 が、結局はCVTなので、シフト操作でエンブレかけて、で戻すとズルズル〜〜〜。
キックダウンで回転上げて、ちょっとアクセル戻すけど、また踏み込むとズルズル〜。
速めの速度で巡航して、前の車が減速、アクセル戻す、また速くなる、アクセル踏み足す。でブルブル〜〜〜。ちょっと想定外の動作を見せるとCVTの悪癖があっさり出る。
 まともなAT乗ると、結構圧倒的な質感の違いに気がつく。アイサイトでMTやめてCVTに移行なんで、巡航みたいなことはアイサイトにまかせてってことなのかなと。失ったものは大きいぞと思うんだけど。
 

足回りについて

スバルのFF車にありがちなストロークが大きいので、妙に腰高な感じは受けないがロール方向でフラフラして妙にだらしない印象がある。高速であまり追い越し車線には出たくない印象。特にSモードでない状態だと、CVTも燃費のため回転数が低い。
FF車はある程度トルクがかかってて安定するので、直安に不安を感じる。
これもアイサイトに任せろってことなのか。
それとは別に乗車人数が変わっても操作感に変わった印象が少ないのは結構いい車特有の傾向。
 元気よくコーナー飛び込んで行くとまあまあ安定して足が接地しててそこからアクセル踏み込める。でもそれだけなんで、なんだかなーって思ってしまう。

ボディについて

かなりがっしりした印象。
タイヤから伝わるノイズや微振動は結構ボディで増幅されてて高速では正直うるさい。
廉価グレードのためか防音、制振は悪いせいだろうか。かっちり感は欧州車っぽいのだが、それ以外、走安性がもうひとつなので、妙にちぐはぐな印象を受ける。

総評

この廉価版FF車インプレッサWRXと同等のボディでエンジンパワーだけ低くて、パワーに対して足回りやボディが勝ってる印象で普段使いにはいいチョイスだと思ってたんだけど、今回のG4にはあまりそれを感じない。極論をいうと運転があまり楽しくない。
それはパワステのフィーリングであったりパワートレインの出来であったり、足回りの出来であったりするのだが、単品単品では高評価なのかもしれないが、全体として印象が希薄で運転感覚を感じさせない出来で。スバルはすっかり身も心もアメ車になったなあというのが率直な感想。

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