非常のひと

工業系人間の日常。DIY精神で自分でやれば工具が手に入って、作業も楽しめて2倍お得。

セレナ S-HYBRID (C26) (TIMES PLUS)

新型がでるため、在庫処分なのか急に大量に配車されたので乗ってみました。

パッケージングについて

高めの着座位置に座り、ハンドルをセット。シートにリフターもあり、ハンドルはチルト&テレスコ付き。ポジションに特に不満なく決まりました。と思いきや高めのセットをするとメーターとハンドル上部が隠れてしまうので、気持ち低めにセットし直すことになる。
 椅子自体はミニバンお馴染みのウォークスルーのため小ぶり。座面自体はクッションも割りと柔らかめで底づきもない。座面がこぶりな分、背もたれがもっとボリュームがあり体を支えてくれるというか受け止めてくれると良好なのだが、その点が不満。



 視界は悪くないのですが、Aピラーが太めで閉塞感が強いのと妙に斜めになっているため視界が歪んで見える。(新型ではやはり細くなったもよう)。全体に縦長の空間が強調された形だ。

 2列目は位置、スペースとも問題ないというより、よく煮詰められた結果、収まりがいい。

感心したのが中央席のためシートベルトが2列目に組み込まれていること。
 この移動できる中途半端なシートに座ることはあまりないと思うが、他社は天井から出ていることを考えると良心を感じる。セレナのいいところは7人乗り、8人乗りを悩まなくていいことだろう。

シートを中央によせることにより、3列目に乗り込むスペースを作ったり出来たりと各家庭のベスト配置にすることが可能だ。
今回はマルチスペースシート(だっけ?)をあえて積極的に移動させて、ウォークスルーしたり3列目にいったりとしてみたが、操作感が軽いので動かすこと前提で使ってみてもまあ悪く無いと感じる。


 3列目も5ナンバーミニバン各社の中では、椅子もスペースも一番確保してあり、老舗の味わいを感じる。足元、背もたれとも一番自然に座れる。特にシート座面と背もたれが厚みがあるのがいい。その分、シートの跳ね上げはスペース的に不利だが。
 新型VOXYが登場した今も、パッケージングの作りこみでは一番だとやはり思う。


エアコンの位置や表示もさすが不満はない。

ラゲッジについて


3列目使用時でも極小ではなく、そこそこのスペースが確保される。
格納時はシートの厚みがあって、左右のスペースが若干狭い。もともとホイールハウスのはみ出しがあるので、その分はシートに回した結果だ。

ただし跳ね上げ位置が低いので、視界が塞がれておらず、この状態で運転してても気にならないので、こっちのほうが良心的と個人的に思う。バイクトランポ的観点からすると、2列目、3列目の片側は撤去しないと入らないだろうと思われる。荷物を積むユーザーよりも3列目をよく使うユーザー向けだ。

最近気にしている、スライドドアのハミ出しについては、そこそこ良好。

パワートレインについて

車外にいるとエンジンが妙にカリカリいってて大丈夫かと不安になる。燃費対策か?
S-HYBRIDに関してはほとんど意識させないというか、ECOボタンを押すとわかりやすいが
、それよりもCVTとトルコンの制御が出足が妙に急で扱いにくい。アクセルをゆっくりや少なめにしても、制御入っていてブワっと出る。ただ遮音については、かなり念入りにしており室内はかなり静かだ。関心したのはアイドリングストップの制御が逸品で再始動も速く、セルではなく、オルタでベルトで回した結果?(だっけ)、セルの騒音がないのが素晴らしい。ここがかなり、繰り返し思考して煮詰めてきた感がありありある。
 少し急な上り坂になると、正直トルクが足りない。踏んでもあまりトルクがなく、かといってシフトダウンというか回転数を増やしたとしても頭打ち感があり、無駄にまわしているだけという印象で、おとなしく走ってるほうがよさそうである。

ハンドリングについて

パワステの印象は、アシスト感が強いもののフィールに関しては個人的には違和感がすくない。切り側も戻し側も不自然な作った感じがないのが好印象だ。言葉にしにくいが操舵感とアシスト感がそれぞれ別々に感じる。好みもあるだろうが、ハンドルを回した時の普通の操舵感があり、そこで回していく時にモーターのアシストのトルク感が増幅される感じで、ラックをまわしているのかモーター回しているのかよくわからん出来の悪いパワステよりは遥かにいい印象だ。
 乗り心地に関しては当たりはかなり柔らかく、トトンとショックをタイヤがいなしていく感じがあって、最初は結構いいじゃないかと感じていたが、前後のピッチが大きい、左右のロール感に落ち着きがない、CVTのの出足が急、ブレーキが本気で頼りなく、かつノーズダイブし易い、セッティングとはっきりいって悪い。久しぶりに自分で運転してる車で酔った。
 一番悪いのがブレーキで、初期制動が悪いのもそうだが、踏み込んでいっても制動力が上る感じがほとんどなく、ミニバンという多人数乗車の車として正直危険を感じるレベルだ。次に悪いのが左右方向の揺れ、明らかに車高に対してトレッドが不足してるのに足を固めるわけでもないので、フラつきが収まらない。VOXYが比較的いいのに対して、セレナは、最近の車としては珍しいくらいだ。C25、C25くらい前のセレナによく乗ったことがあるが、そこから全く進歩が見ることができない。ステップワゴンに関しては低床、低重心のためかここまでひどくはない。
 これを対策しようとすると、トレッド広げて、車高をもう少し広くし、背が低くなッタ分全長を伸ばすしかないだろう、結局それはエルグランドだ。日産も馬鹿じゃないのでエルグランドは結果そうなったのだろうが、つくづくいい車と売れる車は違うと感じる。
 それでも、もう少し足回しやブレーキに関してはメーカーとしてもポリシーを見せて欲しい。客の要望のまま作ったらこうなりました、走安性は結果こうなるのは仕方ないでしょうはメーカーとしてはどうだろう。

取り回しについて

 予想したどおり、サイズほどいいなと感じない。ノアでも感じていたが、トレッドが狭くて小回りが数値以上に効かない。ただし、ノアほどミラーのはみ出しが大きくないのでその点では車幅を意識せずにすんだ。これは視界がノアよりいい結果かなと思う。
 基本的に車庫入れが面倒に感じる。E51エルグランドより実質の取り回しが悪いと印象としては思う。

総評

停まっている限りではミニバンNO.1だと思う。走るとワースト1だが。
ただ乗ってる雰囲気とかは、他社のオラオラ感の強い印象に対しては、コンサバで結構気に入ってるので、もうちょっとしっかりしてくれよと痛切に思う次第である。正直、車作りが一番いい加減なのは日産だと感じる。部品や制御自体は優秀だと思うのだが、車全体をまとめ上げるという点において、正直どうなのと感じるところだ。

車選びについて

車庫の事情が許せば、正直なところ5ナンバーフルサイズのミニバンはあまり買う価値がないなと感じる。理由としては、車高に対してトレッドが明らかに不足してること。トレッド不足で、ハンドルのキレ角が少ないことにより取り回しの悪化、、乗り心地、走安性とすべてに悪影響を与えている。5ナンバーの車幅だと、全長は4.5mクラス、全長は1.7mぐらいまでかなと言うのが、安全性の観点から見えてきたサイズだ。

1.車幅は我慢してそこそこでかいのを買う。LLクラス、Lクラス。
 懸念してるほど、取り回しは悪くはなさそうだ。FRならばなお良いだろうが。
 デメリットは排気量がでかい、燃費が悪い、つまること維持費が高いってこと。

2.室内スペースは我慢して、それなりのサイズを買う。プレマシーとか、ピカソとか。
 デメリットは室内スペースが狭い。メリットはそれ以外はほぼ叶えることができる可能性が高いってこと。

当たり前といえば当たり前だ。5ナンバーミニバンという車は、この1と2を足して、3ぐらいで割った車ということだろう。

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