非常のひと

工業系人間の日常。DIY精神で自分でやれば工具が手に入って、作業も楽しめて2倍お得。

POLO コンフォートライン 1.2TSI (アースカー)

ちょっとお出かけして、POLOに乗ってきました。

パッケージングについて


テレスコと調整幅の大きいリフターもあってすぐにポジションは決まりました。
椅子はVWにしては座面のクッションも柔らかく、サイドサポートも適切でいい感じです。
少し膝裏のサポートがないのが気になる程度。ただ全体としては、最近のマツダ車やトヨタ車のいいシートとほぼ同レベルでとりわけ椅子で買うというほどではないです。Bセグにきちんとした椅子がついてるという意味では素晴らしいですが。

 ドアミラーのスイッチが90度横を向いているのが、親切なのが逆に方向がまぎらわしくなって余計なお世話状態。
エアコンのスイッチは見た目が高級だが、回すとロータリーエンコーダーにクリック感があまりないタイプということもあり、正直安っぽく見た目だけ。
標準装着してあるカーナビは表示、ルートともなかなか賢く良かった。




視界はゴルフ7よりもガラスの天地が大きくて良好。左右の視界も良くて非常に良好。


後席については、膝前に余裕はなく座面は短いが、見た目のようにお尻を落としこんで乗ることで帳尻を合わせてある。座ってる限りではあまり窮屈な感じはしなかった。割りとソフトなクッションがここでも有効となった。長時間では不明。

質感は全体的に高いが、素っ気なさも大概で、面白みはない。割りと好き嫌いが分かれそうなインテリアである。ちなみに筆者は黒内装なこともあって嫌いな方。

ラゲッジについて

ラゲッジにうるさいので別カテゴリーにしてみた。

見た目から狭っ!って印象。案の定、アンダーラゲッジが大きく底上げしてあり、普通に使う分が思いっきり目減りしている。妙に底板が厚いのは騒音対策だろうか。

 リアシートがダブルフォールディングではなく、座面が倒れるのみで高さ合わせでラゲッジが底上げしてある。これって一体どんなメリットがあるのだろうか?
 そもそもハッチ開口部と段差があるので荷物を滑らすこともできないし、後席と面一じゃないと乗せられない荷物というのはなんだろうと?。ダンボールぐらいなら、そのまま段差があっても乗せると思うのだが。

試しに仕切りをはずしてみた。そうすると深さもあり結構使えそうな感じ。
小物が散らばるとかいう人は小さい箱買って置いておけばいいと思うのだが。

評論家が判で切ったようにラゲッジとの段差をうるさくいうのでこうなるである。

パワートレインについて

1.2Lダウンサイジングターボに7速DSGという組み合わせ。
結論から言うと、もちろん大絶賛!。というわけではなく、かなり残念な結果となった。
エンジンについて言うと、最初走らせていて妙にフロアの剛性が低いなあと感じていた。確かめてみるとペダルから駆動系の振動がもろに伝わってくる。
 アクセルペダルを踏み込むとペダルにブルブル〜と振動が来ます。ステアリングやシートには振動はないがペダルにだけ振動があって、ものすごく気持ち悪い。なんだこれ?
 トルクについて言うとハーフスロットル以上にアクセルを開けていくとトルク感はないが駆動切れもないDSGが変速ショックもなく車速を上げていきます。逆に言うと良いのはここだけという結果となった。
 一般の幹線路で60km±α程度で巡航してると、微妙な加減速が必要となるケースが多発するが、通常のシフトスケジュールからすると7速、1100回転付近にいるが、ここでの微妙なセンチ単位の踏み込みに対してトルクが全くありません。ほんとスカスカ。
 踏み込んでもシフトダウンがもイマイチついてきません。いくらシフト早くてもコレでは駄目だ。マニュアルモードで試すも構造上2段とばしができないので、トータルで見ると遅い。なんか走りにくいという印象が常につきまといます。1.2NA以下のトルク感です。
 ダウンサイジングターボの駄目な部分がもろに出たという印象。VWも当初はスーパーチャージャーつけてたが、技術的に解決したというよりコスト的にやめたというのが実際のところだろう。

 微速のATでのクリープ程度の速度では、シフトショックを出さないために妙な半クラっぽい動きを繰り返します。気にしなければ非常に悪くないのですが、正直壊れそうという印象がつきまといます。ルノーなどのゲトラグ系のツインクラッチは早々にロックアップしてアクセルのON/OFFでぎくしゃくしますが、逆に丁寧なアクセルワークで駆動を切らさないようにすれば対応できるというメリットもあります。機械として正しい使い方という点ではゲトラグ系の制御が正しい使い方と感じます。
 高速域は流石に得意分野で、ダウンサイジングターボとの組み合わせの本領を発揮というところで、気持ちよく走れます。ただしここでも巡航時に1000回転付近まで速度が落ちてくると低速スカスカで再加速が遅れ気味になる。トルク曲線はアクセル全開時のグラフなので、ターボ車も加給なければただの低圧縮エンジンである。

DSGの制御としては、まさに激速!。と最初は思った。
確かにタコメーターの針がスパっと回転が上がり、駆動切れもないので、軽快。
途中で気がついたが、かなりタコメーターに演出が入ってないかコレ?。
実際の回転数とは連動せずににタコメーターの針が動いてるような?。
シフトレバーのクリック感はコクコクしてなかなか良好。回転数と速度域によってはシフトレバーの操作に対して結構なタイムラグがあって変速するときもあり、リズムがつかみにくく、使ったからといってあんまり軽快なこともないので、お約束のように使うのを途中でやめた。

ということで、DSGは機械としては素晴らしいが制御が駄目。ダウンサイジングターボは相変わらず。高速巡航時の燃費以外のメリットはないという結論。

ハンドリングについて

ボディ剛性も高いが、足も柔らかめなので軽快で乗り心地もフラットで段差もいなすというより、しっかり受け止めてこなすという印象。ボディ剛性が高いという印象もそうだが何より立て付けが良い、キシキシ異音がなったり、振動をあまり感じないという点で体感的な剛性感が大変いい。フロアのみ剛性が高くてピラーがきしんでたり(ホンダ車にありがち)、またその逆もなく、バランスがとれていて、悪い点がまったくないという印象だ。
 パワステについては、操舵感、重さとも良好。ハンドル形状が若干細めで好みとしてはコレではないが、まあ許せる範囲。
 気になる点として、中立付近の左右1cm程度にパワステとしてわざと不感帯を設けているようで、これを過ぎると急激に重くなる。この状態の操舵感は非常に良くて、なんでわざわざこうしてるのか謎。巡航してる時に微妙な修正蛇をあてるこの部分がスカスカなのが常に気なる。超高速域でナーバスになるのかもしれないが、その当たりは制御できるので通常速度域では不要だと感じる。

総評

 優等生なBセグコンパクトカー。
逆に言うとすごくわかりやすい。日本車がお手本にしたがるのもわかる気がする。
高いボディ剛性、良いパッケージング、良いハンドリング、高度なメカニズムと全部揃ってる。各部分の項目が目標にしやすいので、他の会社としても部署として目標にしやすい。
 ただしこの車の魅力は全部がそろって初めて成立するという点も見逃せない。単品レベルでは日本車でも同レベルの車や超えている車がある。全部がそろってるという点では国産ではマツダがほぼ追いつき、部分的に追い越したと正直感じる。コスパで言うとポロを買う必要性はないだろう。ただこの方向を目指したとしても結局はこの車を超えることはできない。よく出来たコピー品ができるのみだ。なぜなら完成度以外にポロの魅力はないから。結局のところドイツ車とはそういう車だと思う。ただし、かつてほどのアドバンテージはもうない。追いつかれた結果がアレなのだろう。

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