非常のひと

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トヨタ カローラフィールダー試乗記(タイムズレンタカーPLUS)


インプレッサの人気がないのか代わりに配車されていたので乗ってみました。
カローラフィールダーに関しては、よくプロボックスに変わって営業車として使ってるのを見ます。貴重なコンパクトワゴンとして興味深い。
今回はMC後のハイブリッドではなく普通の1.5L。

パッケージングについて


乗り込んでシート位置を合わせようとすると、異様にハンドルとダッシュボードが近い。当然のごとくテレスコはなく、かつポスト位置が低い。
リフターの調整幅がそこそこあるので、低めにセットするとハンドル位置が遠いので手を伸ばしてハンドルをつかむ格好になるので途中で変更して、高めセットにしてハンドルを上から抱え込むような感じの姿勢に落ち着いた。
 椅子自体は気持ちサイドサポートがあるんだが、なんかカチンカチンに固くて全然面圧を分散してくれなくて、なんというかいらんことしてあって最悪なシートの部類に入ります。ここのところトヨタのシートってよくなってきたなあって思ってましたが、コストの厳しい車種については、「それなりのもの」しかついてないようです。
 前方視界はボンネットがかすかに見える程度。サイドドアミラーは足つきなこともあって死角は少ないです。ただサイドミラー自体の形状が先端がしぼまれており、端の視界が悪いのがもったいない。空力等考えた結果なのだろうか。

反面、リアシートはなかなか真面目に作ってあって、頭上、足元とも充分なスペースがあって最近のルーフが低い下手な欧州ワゴンよりもきちんと座れます。

関心したのが後方視界がいいこと、リアウインドウ、Cピラー後ろの窓など死角が少ない。
 全体の質感はまあそれなり、昔のようにできるだけ高級感とか出すとかそういうことには力をいれず、安っぽく見えない程度につくりこんではきてる。カーボン調の加飾とか正直どうなのと思うが、なければないで安っぽくなって、下手なドットパターンよりは濃淡があって見た目品質としてはいいんだろうな。その他の作りとしてはそつなく面白くなく作り込んできた印象だ。買うユーザー層を見据えての対応だと思う。
 

パワートレインについて

 乗ってまず思うのが、ハンドルの感触が気持ち悪い。切るのも戻すのもまったく同じ感触で相変わらずのフィーリングでトヨタっぽいです。もちろん悪い意味で。60kmぐらいになると制御が働くのか多少落ち着くが、それまでは感触がないので妙にフラフラし、どうでもよくなってほっとくしかなくなるのもお約束である。ただウレタンハンドルながら握り部分の成形、シボや形状などはよくて、センターパッドの縫い目風など部品の作りこみだけはすごい。
 エンジンは基本的に悪くない。下からちゃんとトルクが出ていて街乗り程度の加速だと2000回転以下に抑まる。音はよくないけど、不快な音はしない。
 CVTに関しては制御としてはなんだコレ?って印象。エンジンの回転を抑えた燃費走行のパターンなのはわかるが、アクセルオフの空走感がすごくて、アクセル踏む→ちょうどいい速度で戻す→CVT制御で増速して微妙に速度があがる。→アクセル離す→速度が落ちる→アクセル踏むの繰り返しでスイッチのようにアクセルを踏むことになる。
 速度が出ている時にアクセルをはなすとヒュィーンというCVTの高周波のと音がかなり耳につく。基本的には静かな車だけに気になる。プリウスもそうだが、トヨタは高周波系の音にはあんまり対策しきれてないように思う。ダッシュボード奥から冷暖房用のファンのヒューンという音も妙に目立って聞こえる。オーディオつけてれば気にならないかもしれないが一度気にしだすと結構耳につく。
あとくだらない内容だがダッシュボード内の時計にわざわざH:M用にそれぞれ調整用のバーボタンがあるのが不思議。インジゲータ切り替えかと間違って押してしまった。
一度合わせばめったに再調整しないのにわざわざ設けているのは購買層が高いと想定しているのためだろうか、コストに厳しいトヨタらしくないなと感じる一面である。

足回りについて

トヨタお約束のぶわんぶわんかと思いきや、そうではなくて逆に固め。
ワゴンということもあってか、バネが固めで路面の凹凸で上下する。
ダンパーは全然減衰がきいてなくて、ここははっきりと安物感を感じる。
コーナーを曲がるとき、タイヤのグリップを感じられなくて、妙に手アンダーになってしまい。切りたすことになって気持ちよくない。そのためか前輪も後輪もタイヤの位置が感覚的にわかりにくい。車体がコンパクトのわりに微妙に大きい車のように感じる。それでもさすがに5ナンバーサイズの車幅はやはり運転しやすさを感じさせる。
おそらく想像だが1.8Lは結構まともな足になってるだろうけど、1.5Lは相変わらずの感じでトヨタのポリシーを改めて感じる。

ラゲッジについて


関心したのがトノカバーがついてて、それが床下に収納できること。
個人的にトノカバーのない車は嫌いだ。いくら荷車といってもラゲッジとシートは分けたい時が多いはず。特にミニバンに対するワゴンは乗員の快適性がアドバンテージなのだからなおさらである。

トノカバーのリアシート側が分割して別れてヘッドレストに固定できるのでこれはリアシートがリクライニングできるんだなと思ったがこのレンタカー仕様はできない。

 ラゲッジそのものの大きさについては、全長が4.3mくらいなので必要にして充分。タイヤハウスの張り出しはあるが低いので工夫すれば問題なく使えそうである。後席は荷室側のレバーで倒れるが、前席の位置関係に関係なくキレイに倒れる動作感がトヨタだねと思わす作りである。

強いていうなら助手席が可倒できればよかったが日常生活上で困ることは、ほぼなさそうである。ふと先日見た308のハッチバックとどっちが大きいかなと思ったが感覚としては同じくらいに見えた。

総評

この5ナンバーサイズ、全長4.3mクラスのワゴンは日本で生活するにあたって過不足ないという点でジャストサイズだと思う。パッケージングについては、ほぼ満点だと個人的に思う。過不足ないということは過分もなくその点面白みもないのだが、必要ないものはいらないという点で潔くてすっきりしてていいと思う。残念なのは椅子と足回りとパワステが相変わらず全然駄目という点だ。特に椅子はこましなのかなと思ってただけに残念。
 ほぼ同サイズとして、ライトエース(タウンエース)、プロボックスがあるが商用車と乗用車の違いは乗員に対しては差が大きいのでハイブリッドがある現在、ビジネスユースとして増殖していくんだろうなと予想する。

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